Dior Homme 2012-13A/W
「Double Leather Riders」
こちらはディオール・オムのコレクション外品として発売されたダブル・ライダースです。
店頭出しは若干あったかと記憶していますが、 基本的に顧客完売状態で、直ぐ再入荷したのを覚えています。
まず、このライダースは型が同じで、且つレザー素材は2種類(ウール仕様もありました)。
①ラム(子羊)レザーの表側(オイル)
これは価格が48万円程
②カーフ(子牛)レザーの裏側(ヌバック)
これは価格が58万円程
ここまでで、ハイブランドのレザーを購入されている方なら、このライダースが、いかに珍しい物かだと気づくはずです。多くのハイブランドはレザーのライダースを出す際、素材にラムレザーを使用します。理由はとても柔らかく、体へ直ぐ馴染み、ファッション用途の高い物だからです。今までもディオール・オムはラムレザーのブルゾンやライダースを発表していましたが、この期は珍しく、カーフで発表されました。
両方共に試着し、私は後者であるカーフレザーの方を購入。
ラムレザーを購入しなかった点はいくつかあります。
1:経年劣化(牛は味が出てきます。羊は購入当初が最高の状態で後は劣化を辿る)
2:傷がつき、目立ちやすい。
3:野暮ったい
さて、商品詳細を見ていきましょう。
素材の最高級カーフは触り心地が非常に柔らかく、しなやかでラムレザーと間違えるほどです。
ヌバック(起毛)素材のため、アームのシワを嫌う私には最適な加工方法とも言えるでしょう。
腕を通した際に袖幅はキツ過ぎず、締め付けられずの絶妙な状態を実現しています。また、全体的なシルエットとして前を開いて着用した時は綺麗に開き、身幅もダボつくことがありません。写真からお分かりいただける通り、秋冬仕様で裏地(総裏)にはキルティング加工中綿入り、極寒の地は耐えられずとも、都内であれば真冬も着用が可能。更に中綿は多く入っている訳でないため、野暮ったいシルエットにならず、夏以外は3シーズン対応可能という素晴らしいライダースです。
ポケットは胸、両サイド、内側両サイドの5箇所に有り、内部は意外に広く幅を取っています。
その事により、財布や携帯電話等を入れる際、はみ出しの心配は無用。もちろん、私は着用する際にポケットへ物を入れません。理由はシルエットが崩れるからです。
前身頃ベルト部と各ジップ部には「DIOR HOMME」の刻印。
袖、前身頃、胸、全てのジップにこの刻印は見られます。
Zipは珍しくもriri社製M6の物を使用しています。以前のディオール・オムや他のハイブランドは近年、Lampo社製Zip主流で、なぜ、今更riri社製Zipを使用したのか不思議でなりません。しかし、かと言って、開閉に手間取る滑りの悪いジップでないため、満足はしています。
更に言えばこのジップの形状は今現在のディオール・オムで仕様されていません。今は縦長で何の変哲も無い、特徴ないジップへ変更されており、こういった真ん中に四角い穴が開いたデザインとは異なります。
手入れとしてはヌバック素材なため、ブラシで埃を落とすのみと簡単です。オイルレザーの様にオイルを塗りこむ必要性がない点も優れているかと思います。それと同時に非常に繊細な素材でもあります。それゆえ、傷がつきやすい点はマイナスかもしれません。だからこそ、高揚感を得られると担当は言っていました。
背面にはディオール・オムのデニムでもお馴染み、ダーツが入っています。
カーディガンやブルゾン、コート類にも入っていますが、唯一ジャケットのみ、入っていないことに気づきました。
説明上、ほぼパーフェクトな物とお伝えしましたが、あえてマイナスな事を挙げるとすれば、個体差の幅が広く、激しいという問題です。
ライトに当てると全体的な色味が黒色の物から灰色の物まであり、加工自体もアタリが激しく出て、白いカビに見える物は残念ですね。これは生き物の革を使用している訳ですから、いくらハイブランドで質の良い物を厳選しているにしてもしょうがないと言って良いかもしれません。
また、袖丈、身幅が同サイズにも関わらず、最大5cm近く違う別物状態が数点ありました。洋服というのは1cmの誤差でシルエットが全く異なる物に見えます。これらは常識中の常識です。
試着時にまるで別サイズの物を着ているように感じました。
デニムの購入方法と同じく、何着か担当に並べさせ、個体差を調べた後、満足の良くお買い物をしたいですね。
詳細:
素材:Calf Leather 100%
Lining:Cotton 60% Viscose 40%
Lining Sleeve:Cupra 100%
Interieur:Polyester 100%
Size:44
生産国:Made In Italy
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