「Biker Pants」
こちらはランバンの毎期、定番として扱われているバイカー・パンツになります。
近年では季節により、素材をコットンのみならず、ウールやポリエステルへ変更したりしています。
デザイン自体が変更された物も発表されており、改良(型違い)を重ねているようです。
参考までに2012年S/Sの旧式バイカー・パンツは(こちら)
さて、今回は初の試みとし、旧式と最新式、共に中身を見比べて行きましょう。
まず、パッと見だと全体的なシルエットの異なる部分が判別できません。
あえて挙げるなら膝から脛、裾へかけ若干、旧式と比較し、緩くなったように感じます。
計測してみたところ1.5~2cm程の違い(裾)を確認できましたので、着用感は全く異なります。
旧式はとにかく細い。足を通す際にはつま先からゆっくりと入れます。
「2014S/S」 「2012S/S」
ウエスト周りに関しましては作りに3点ほど変更があります。
1点目は丸々一周、裏地を付けた事です。縫いの工程もそれに伴い増えています。
これによりコスト増が窺えます。
お値段も以前は56700円(税込)でしたが、現在は81000円(税込)になっています。
もちろん、円安による輸入の影響も少なからず、この価格に反映されていると考えられます。
2点目はベルトループの幅が若干広がりました。
この事により、ナローベルト以外も対応可能となっています。
そして3点目はウエスト中央のフロント・ボタン幅が一回り大きくなっている事です。
大きさだけでなく、厚みも増していました。
以前は小ぶりでボタンが取れやすくなっており、そこを改良したものと思われます。
サイドの縫い代にも大きな変更点があります。以前はトリプルステッチによる切りっぱなし加工が施され、使用している内に自然とホツレてきました。このホツレはあえて計算されており、デストロイ加工状態を演出し、いかにもグランジという物へ変化していきます。もちろん、ある一定の部分までホツレればそれ以降は進まず、悪化することもありません。履き込めば履き込むほど味が出るコットン・パンツは珍しいと言えますし、この部分に私は惹かれて購入しました。
最新の物も同様にトリプルステッチ処理をしていますが、切りっぱなしではなく、内側へ縫い付けています。この縫い付けは洗濯をしても生地がホツレず、綺麗目を演出してくれます。ランバン自体のステッチング技術は他のハイブランドを寄せ付けないほど優れており、この優れた技術があるからこそ、生み出された物です。
Zipはフロント部のみriri社製を使用。裾はLampo社と異なる物を使用しています。
ハイブランドは1つの製品につき、1社のジップを使用するのが一般的です。
しかし、ランバンは両社のジップを配置によって使い分けています。
パンツの裾部を拡大し、比較画像として並べてみました。
中央画像は裏側Lampo zipの刻印。
右側が旧Zipとの比較ですが、両方共にLampo社製となっています。
先にもお知らせしました通り、このバイカー・パンツにはありとあらゆる箇所にステッチングが施されています。その一部分を少しご紹介しましょう。 一番左と中央の画像は膝部に縫い付けられているダーツになります。2014S/Sベージュ・バイカーではブラック・バイカーに比べて、やや長めのダーツへ変更されているのが画像からお分かりいただけると思います。また、一番右にある画像は裾部裏のダーツで、長さに変更はありませんでした。ただし、裾部Zipの長さは以前と比較し、短くなったようです。
バックポケット下部も旧式は切りっぱなし加工でギザギザしています。
最新の物は縫いつけてあり、違いを生み出しています。
一番の違いはポケットについているボタン部分です。
ブラックの物はポケット穴上部に縫い代がついています。一方、ベージュはポケットのボタン穴が縫い代と重なっており、面白い発見をすることができました。
最後にラベルを見て行きましょう。
実はこのベージュ・バイカーはランバン・ジャパンでは仕入れていませんでした。
この画像は銀座路面店のランバン・ジャパンで購入したブラック・バイカーのラベルです。
そして、こちらが今期、購入したベージュ・バイカーの画像です。
大手デパートから購入したため、コロネット経由での仕入れ元となっています。
路面店はブラックのみの取り扱いとなり、コレクション色の強い物しか仕入れていません。
仕様:
素材:Cotton 100%
Size:44
生産国:Made In Romania
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