2015年10月9日金曜日

Balmain Homme 2015-16A/W T500 Biker Denim

Balmain Homme 2015-16A/W

「T500 Biker」 


こちらはバルマン銀座路面店で、夏前に入荷連絡の依頼をしたバイカーデニムになります。まず、入荷連絡自体は銀座店から来ませんでした。どうやら、伊勢丹メンズ館、阪急メンズ館、銀座本店と今は昔と違い、入荷している商品が少し異なるようです。


一般的にバイカーデニムは大きく分けて、素材違いの2種類が存在します。1つはストレッチが入っている伸縮性のあるバイカーデニムです。昔からこのタイプはウエスト周りが大きめ、股下から裾へ向かいテーパードが効き、スキニーデニムのように見えます。そして、もう1つが今回購入したコットン100%のT500型と呼ばれる定番型デニムです。こちらはウエスト周りが小さく、股下からはストレートのタイプとなっています。


正直言ってどちらも一長一短に特徴があります。

ストレッチ・バイカー

良い部分:足が細く見える
       腰履きが出来る
       裾幅が狭い&股下が短い→ブーツインがしやすい
       ウエスト周りが太っても着やすい
       価格が安い(10~14万円)
       重量感は軽い
悪い部分:蛇腹が綺麗に見えない→素材自体に伸縮性があるため
       細すぎて上下のバランスがとりにくい
       ストレッチ素材のため、太股にシワがよりやすい
       素材がポリウレタン混のため経年劣化する

コットン・バイカー

良い部分:蛇腹の伸縮性が有効
       足を長く見せることが可能
       コットン素材のため、太股等にシワがよりにくく、足のラインが綺麗に見える
       素材の経年劣化が半永久的にない
悪い部分:とにかく少量生産(手に入りにくい)
       とにかく価格が高い(15~28万)
       股下からはストレートのため、少し野暮ったい
       股下が長い&裾幅が18cm位ある
       重量感が他メゾンと比較し2~3倍ある

また、バイカーの種類(型)もいくつかあり、その説明は前期(こちら)にしております。ご参照ください。



では、詳細に関して説明していきましょう。







ご覧頂いている通り、インディゴのT500型バイカーになります。こちらは久しぶりに発売されたクラッシュタイプです。近年のクラッシュタイプモデルはストレッチバイカー(安価)の方で、何度も発売されていますが、完全に膝穴がパッカリと開いており、そちらはデストロイと化しています。そしてそれは履いているとその穴が開いてきてしまうというデメリットがあります。













いっぽう、こちらは価格が高いだけあり、中て布を裏地に使ったりする「タタキ」と呼ばれる工程を施しています。この画像からお分かりいただける通り、随所にクラッシュした部分の裏へ別布を中てています。周囲から縫い付けるのでなく、中央に近い位置で円を描くように手縫いしています。また、よく見ると、外周を縫い付ける工程+中央部を上下に手縫いする工程と2箇所に亘り、刺繍しています。こういった作りは旧デザイナー、デカルナン時代に何度も発売されており、その当時を彷彿とさせます。















 こちらはその部分の拡大図になります。















クラッシュ自体は太股だけに限らず、裾まできっちりと演出されており、そちらもぬかりはありません。両足かかと部がクラッシュ、フロントは左記の画像通り、切りっぱなし通常。


また、今までと大きく異なる点はコットン 100%/T500型にも関わらず、股下から裾へかけ、従来通りのストレートタイプではないという点です。こちらは正面画像から判断しにくい状態ですが、 以前よりもテーパードが効いており、スニーカーINやブーツINがしやすい事となっています。























蛇腹部分はコットン100%だけあり、非常に履いた時のシルエットが綺麗です。素材自体に伸縮性はないため、膝を曲げた際この蛇腹が伸び縮みするのを味わえます。蛇腹部分の裏地には画像の通り、とても特徴的な作業工程が隠されています。細い綿をネット状にして縫いつけ、これがバネとして機能しています。こ れは膝だけでなく、ウエスト周りも同じように工夫されています。屈んだ体制の時に有効化されます。













 こちらがその裏側・拡大図








サイズは特別に少し小さめを選択しました。バルマンのデニムはサイズ感に統一性がなく、履いた際の感覚でのみ購入を決断する。これが一般的な流れとなっています。各部のパーツに関しては少し残念な点があります。従来のLampo社製Zipから変更されており、オリジナルの物(型も変更)となっています。更に生産国もイタリア製から、日本製へ変更されています。これは何度も20~30℃でウォッシュする等の手間を考えて、つまり細かい工程を得意とする日本人をあえて使いたいがためにそうしたのかもしれません。


お値段は21万円と円安状況も相まってか、非常に高額な買い物となりました。しかし、上記内容を確認すればこの価格帯は理解できると思います。とにかく手間隙かけて作られたバイカーデニムなのです。これから色落ち等も楽しめますし、ディオールのデニムと比較しても荒く扱えます。


最後にどうでも良い情報ですが、依然と比較し、ハンガーのデザインが変更になったようです。



詳細:

素材:Cotton 100%
Size:27
生産国:Made in Japan


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